ゲスト第二号。

たまえさん(23歳・女)(2003年4月16日現在)
University of Sheffield 交換留学生(本籍・慶應義塾大学・法学部政治学科)
人生を気楽にエンジョイすることが一番。
そんなことを教えてくれたたまえさん。
ひとりでどこへでも旅立ってしまう、いつも活力にあふれた彼女。
誰とでも打ち解けられて、すぐに仲良くなってしまうところがとっても魅力的。
私のお部屋でのお泊まり会インタビュー、2003年4月16日。
−初めての留学はアメリカだったそうですね?きっかけは?
『高校二年生のときに、アメリカのテキサス州の高校に通った。ホームステイで。思えばこれが、私の原点。全てが刺激的だった。日本人がいなくって、全てが英語の世界。留学かっこいいな、留学したいな・・・ていうのは誰でも思うことでしょう?で、高校一年生の夏に、以前に買った留学の本を大掃除してたら偶然見つけて、もうその日のうちに行くことを決めた。そこに載ってた留学斡旋団体に問い合わせをしたら、時期が遅くて一つしかなくて。そこに申し込んだ。その団体とは今でも仲良くしてる』
−アメリカ留学が私の原点、というのは?
『日本とあまりにも違う生活の中で、どんどん新しいものを吸収していった。私が留学したのは17歳。17歳っていうのは、人生の中で誰かにしつけられる最後のステージだと思う。そこでアメリカ人のホストファミリーに家族のように怒られたり、ぶつかったり・・・。日本を出てくるときは、ものすごい反抗期で、父親とも母親とも喧嘩中で出てきてしまったようなものだったんだけど、留学終わって帰ってきたら反抗期はなくなってた。アメリカのパパにもママにも愛情をたくさん注がれて・・・あまり自分に自信がなかったのが、アメリカの、個性を大切にする雰囲気が「私でもいいんだ」ってのを教えてくれた気がする』
−英語はどのぐらいから理解できるようになった?
『はじめはもちろん全く理解不能。2、3ヶ月してやっと分かるようになってきた』
−帰国後はどんなかんじ?
『とても苦しかった。アメリカでの一年があまりにも濃すぎて・・・高校3年生に編入したはいいものの、半登校拒否。逆カルチャーショックだね。日本の教育って、生徒を管理するでしょう?授業に1時間も座っていられなかったし、体調も崩した。勉強にもついていけなかったし、アメリカで身に着けた考え方も、周りにフィットしなかった。英語で話す、考える癖がついてて日本式になかなか戻らなかった。
そんな苦しさから抜け出せたのは1年後。ある意味そこで挫折とか味わった。自分はなんて弱いんだろうって。そんなときに親や、先生、友達に助けてもらって・・・アメリカでの生活、その後の日本での1年、ていうこの2年間はわたしにとって本当に大きな経験だった。たくさんの人の優しさを感じたし、親ともすごく仲良くなった』
−高校卒業後は?
『予備校に通いつつ、一年浪人。国立大学も受けたけど、昔慶応大の近くに住んでいたことがあって、それで記念受験。そしたら受かっちゃったし、迷ったけど慶応大学に行かせてもらってる。アメリカの大学に行くのも考えたけど、4年間も向こうにいたら日本に帰ってこれなくなるのではないかと思って。またあのショックがくると思うと18歳の私にはその決断は怖かった。』
−また留学を決めたきっかけは?なぜまたアメリカにしなかったの?
『うちは親の関係で転勤族。動いてないと駄目みたい(笑)。で、慶応って提携校が世界中にあるんだけど、せっかくだからまた新しい経験してやろうと思ってイギリスに』
−最初の留学と比べてイギリスってどう?
『イギリスの第一印象は最悪!アメリカを選ばなかった自分を恨んだ。どこ行っても列を作って並んでたり、非効率的っていうか・・・でもだんだんそういうEnglish
way of lifeが「大人の国だなあ」って思えるようになって。だんだんとイギリス人の良さとか、優雅さ、威厳のあるところ、気品のあるところとか、味が分かってきた。アメリカ留学は強烈なサバイバルみたいなかんじだったけど、今回は優しくて、いい思い出ばっかり。人の優しさに触れた一年だった。思い出すたびに、優しい気持ちになれる気がする。シェフィールド大学って、小さい大学だし、寮に住んでたからすごく人間関係が密着。イギリス人の大親友ができて、その人と過ごした日々は一生忘れないと思う』
−好きな言葉は?
『share、(共有する)って言葉がすごく好き』
アメリカ留学、イギリス留学両方を経験した、たまえさん。
彼女が人とすぐに打ち解けられるのは、自分の経験、考えを人に押し付けるのではなく、shareしようとする心があるから、なのかもね。
一緒にいても、誰と話してても自分の心を開いている。彼女の周りにたくさんの人が集まるのはそのせいかもしれない。
そんな、インタビュー第2回目でした。
*インタビュー後記*
たまえさんはこのインタビューのあと、オーストリアへ無計画旅行しに旅立っていきました。
帰りのチケットとってないそうですが、まあ大丈夫でしょう。彼女なら。
私がこっちへ来て一番初めにできた日本人の友達。
私がエッセイでヒーヒー言ってるときに、「楽しむことが大切だよ」と美術館巡りに誘ってくれたり、
一緒に話したり・・・人生を楽しむコツを教えてくれた気がします。
人生なんとかなるものね。
日本に帰ってしまうのは淋しいけど、たまから学んだこと生かして、切羽詰まったときはたま風に気楽に、行きたいと思います。